最近、「筋膜リリース」という言葉をよく耳にしませんか?
実は、その「筋膜」の本当の正体はファシアと呼ばれる全身を包む膜組織です。
ファシアは筋肉や臓器、神経などを覆い、身体全体のバランスを保つ重要な役割を担っています。
しかし、姿勢の悪さや運動不足、ストレスなどによってファシアに負担がかかると、肩こりや腰痛などの不調を引き起こす原因になります。
この記事では、ファシアの基本的な働きから不調との関係、そして自宅でできる簡単なセルフチェックやストレッチ方法までを、わかりやすく解説します。
ファシアとは?筋膜との違いをわかりやすく解説
ファシアとは、全身の筋肉・臓器・神経・骨・血管などを覆う膜組織のことです。
まるで「全身を包むボディスーツ」のように全方向に伸び縮みしながら、身体のバランスを保っています。
一般的に「筋膜」と呼ばれるのは、ファシアの一部に過ぎません。
ファシアが担う重要な役割
ファシアは、体の動きをなめらかにしたり、内臓や筋肉を支える役割を果たしています。
この膜が全身を連動させることで、私たちは複雑な動きをスムーズに行うことができるのです。
ファシアに負担がかかる原因と不調
ファシアは次のような要因でよじれたり、水分が失われたりして硬くなります。
- 長時間の同じ姿勢
- 不良姿勢
- 運動不足
- ストレス
- 怪我や骨折
- 肥満
硬くなったファシアは可動域が狭まり、癒着が進むと痛みを感じる受容器が集まりやすくなります。
その結果、トリガーポイントと呼ばれるしこりができ、首・肩こり、腰痛、関節痛、しびれ、柔軟性低下など様々な不調の原因になるのです。
セルフでできるファシアチェック方法
ファシアの状態は、自分で簡単にチェックできます。
- 肩の上の皮膚(浅い層)を指でつまむ
- 腰の後ろの皮膚(浅い層)を指でつまむ
両方ともつまめて痛みがなければ、ファシアが柔らかいサインです。
つまみにくい、動きが悪い、痛みがある場合は、ファシアが硬くなっているサインといえます。
ファシアを整えるストレッチ方法(医師推奨)
ファシアは頭の先から足まで膜でつながっています。
そのラインを意識してストレッチと筋トレを組み合わせることで、伸縮性を取り戻すことができます。
ここでは『医師が教える!60歳からの血流ぐんぐんストレッチ』(河出書房新社)を参考にした、ファシア全能ほぐしストレッチを紹介します。
1. 壁ストレッチ(前屈ラインの解放)
肩と同じ高さに手をつき、片足を前に出して腰を落とし、顔を上げて20秒キープします。
2. 上体寄せストレッチ
両ひじを曲げて壁に体を近づけ、顔を両手より前に出して20秒キープします。
3. 前屈ストレッチ
2の体勢から背中を丸め、頭を下げて前足のつま先を上げ、膝裏を伸ばして20秒キープします。
左右3回ずつ、1日3セットを目安に行いましょう。
ファシアケアでしなやかな身体を手に入れよう
ファシアの柔軟性を保つことは、痛みや不調の予防だけでなく、日々を快適に過ごすための大切な習慣です。
ストレッチや軽い運動を取り入れて、しなやかで健康的な身体を目指しましょう。
まとめ
- ファシア=全身を包む膜で、筋膜はその一部
- 姿勢や生活習慣の乱れがファシアのよじれを生む
- セルフチェックとストレッチでケアが可能
- 日々のケアが痛みの予防と健康維持につながる