女性の約6割、男性の約4割の割合で、冷え性に悩まされています。
冷え性は、単に体が冷えるだけでなく、首や肩こり、身体のむくみなど冷え性が原因で、その他の身体の不調を招いてしまいます。
今回は、多くの人が悩まされる「冷え性」について解説してきます。
冷え性(症)とは
冷え性とは、血行が悪くなることで起こる症状の1つです。
西洋医学では、診断時や検査時に特別な異常が現れていないにも関わらず身体が冷えている状態を指し、疾患として認めておらず、体質の1つとして捉えています。
一方東洋医学では、冷え性ではなく、冷え症とし、治療が必要な症状であると捉えている違いがあります。
冷え性の症状とチェックリスト
冷え性は血管の収縮により慢性的に酸素低下状態や細胞の栄養不足を起こしてしまいます。
その結果、以下の様な症状が見られます。これらの特徴に当てはまる数が多ければ、他の方よりも体が冷えいてる可能性が高いと言えます。
- 手足が冷たく、温めてもなかなか温まらない
- 気温が高い日でも汗をかかない、かきにくい
- 顔色がくすんでいる
- 肌が荒れやすい
- 目の下のクマが気になる
- 頭痛、首、肩こり、腰痛、関節痛に悩んでいる
- 低血圧である
- 朝が苦手で寝起きが悪い
- 寝つきが悪い
- 休んでも疲れがなかなか取れない
- よく下痢や便秘になる
- 生理不順や生理痛に悩んでいる
- 膀胱炎や頻尿である
- からだがのぼせる、ほてる など
冷え性になる原因
身体が冷え、放置することで冷え性となり、様々な身体の不調となって現れます。
冷え性の原因はいくつかありますので、原因をしっかり理解し、未然に防ぐことを心がけましょう。
- 自律神経の乱れ
- 運動不足による筋力の低下
- ホルモンバランスの乱れや更年期の症状
自律神経の乱れ
自律神経が乱れることで、血管が収縮しっぱなしになって血行が滞り、酸素や栄養が十分に届かなくなります。
反対に血管が拡張しっぱなしになって静脈に血液が停滞し、老廃物が溜まってしまったりすることに繋がります。
いわゆる「血行不良」という状態で、身体の冷え、首、肩こり、むくみといった症状となり表に出てきます。
運動不足による筋力の低下
運動不足で筋力が低下すると、基礎代謝が下がるため、筋肉によって生まれる熱量も少なくなります。
「体内で生まれる熱量が減る=冷えやすい、冷えた状態から温めることが困難になる」
体温が低下すると、臓器を中心に温めるようになるため、臓器から遠い手、足などの末端は冷えていきます。
ホルモンバランスの乱れや更年期の症状
ホルモンバランスが変化と自律神経が乱れることも冷えに関係しており、更年期になると冷え性になることが多くなると言われています。
また、月経の関係で血液が少なくなると、手足など末端まで血液が行き届かなくなり、熱が届かないため身体が冷えてしまいます。
4つに分けられる冷え性のタイプ
冷え性の症状は大きく4つのタイプに分けられます。
冷えで悩むあなたが、どの冷えのタイプかを理解し、それらに応じて重点的にケアすることで体質を改善する近道となります。
①全身冷えタイプ
手先、足先とった末端ではなく身体全体が冷えるタイプです。
主な原因は基礎代謝の低下(免疫力の低下の場合もあり)によるもので、風邪をひきやすかったり、身体のだるさ、下痢になりがちといった症状があります。
わかりやすい自覚症状が少ないため、自分が冷え性であることに気づいていない場合もよくあります。
②下半身冷えタイプ
特に下半身が冷えるタイプです。
デスクワークの方や長時間同じ姿勢をする方、反復して同じ動作を繰り返す方に多く、主な原因は骨盤のゆがみによる下半身の血行不良や、姿勢の悪さにより坐骨神経して交感神経が緊張状態となることでの結構不良が挙げられます。
また、運動不足による筋力低下が原因となる場合もあります。
③末端冷えタイプ
特に手先、足先に冷えを感じるタイプです。
身体に冷えを感じている方の内、男女ともに最も多いのが足先、次いで手先という、冷え症の中でも多く該当するタイプです。
また、特に10代後半から20代の女性に多く、栄養の偏りやダイエットが原因となる場合も多くなります。
手足を温めるだけではなかなか改善できないため、腰回りや内臓など身体の内側から温めなければいけません。
④内臓冷えタイプ
最後は身体の内側が冷える内臓冷えタイプです。
主にストレスが原因となって起きやすい冷え性と言われています。下痢や倦怠感、風邪に頻繁になる方は、身体の外側の冷えでなく、内側である内臓が冷えていかもしれないと考えるべきです。
また、末端冷え性タイプと異なり、手や足先には冷えを感じない場合も多いため、自分で気づきにくい冷え性のタイプとも言えます。
3つに分けられる冷え性の体質
人には「気」「血」「水」が流れており、人によって滞りやすい体質があります。
- 気が滞りやすい体質を気滞体質と呼び、身体が冷えやすいのが特徴
- 血が滞りやすい体質を血滞体質と呼び、こりやすいのが特徴
- 水が滞りやすい体質を水滞体質と呼び、むくみやすいのが特徴
本記事で解説している「冷え性」で悩む人は、上記の気滞体質に当てはまる場合が多くあります。
この気が滞りやすい体質である気滞体質の中でも、上半身が冷えやすい上半身気滞体質と下半身が冷えやすい下半身気滞体質の2つにわけることができます。
先述した冷え性の4つのタイプ、そしてどんな気滞体質なのかを把握することで、より効率よく体質を改善していきましょう。
冷え性の改善方法
辛い冷え性を改善するにあたり、大きな原因である「血行不良」を改善すること、そして日々の生活を改善することに重点を置きます。
あなたの体質や日常生活(運動、食事、環境など)が影響していますので、あなたの身の回りでどんなことが冷えに繋がっているのかを理解し、改善方法を取り入れ、継続していくことが非常に大切です。
- 運動やストレッチ
- 食生活の見直し
- 入浴
- マッサージやツボ
- 規則正しい生活
- 服装
①運動やストレッチ
まずは、適度に身体を動かし、筋力をつけて血行促進を目指します。
筋力の低下は、血行不良に繋がるだけでなく、そこから冷えだけでなく、首や肩こりにも繋がってしまいます。
適度な運動はリンパの滞りを改善することにも関係しますので、あなたにとってメリットしかありません。
ストイックにハードな運動を行うのではなく、ウォーキングやラジオ体操などまずは「身体を動かす」習慣をつけましょう。
また、合わせてストレッチを取り入れることで、冷えやすい箇所の血行を促進したり、リンパの滞りの改善を加速させます。
ちょっとした隙間時間、自宅での自由な時間を使って「運動やストレッチを日々のルーティン」にすることをお勧めします。
raffineにご来店頂いているお客様の中でも、実際に継続的に運動やストレッチを取り入れてる方の方が、次回来店時の身体のこり、滞り、むくみ、冷え具合は緩和している場合も多く見られます。
普段あまり運動しない方にとっては面倒だと感じるかもしれませんが、これからの長い人生において、1日でも長く健康でいるためには大切なことですよ。
②食生活の見直し
2つめの冷え性改善方法は、食生活を見直すことです。
食べ物や飲み物には、身体を温めるもの、冷やしすものがあります。これらを理解し、急に「断つ」のではなく、日々口にするものを「ちょっと意識」することから始めましょう。
身体を温める食べ物
身体を温める食べ物を意識して摂ることで、身体の内側から温め、冷え症の改善を目指します。
身体を温める食べ物の例として以下があります。
- タンパク質を多く含む食材である肉(牛肉、豚肉、鶏肉、ラム肉)、魚(青魚、鮭、マグロ、ブリ)
- 発酵食品(納豆、みそ、大豆)
- ビタミンEを多く含むもの(ナッツ、うなぎ、アボカド)
- キノコ類(椎茸や舞茸)
- 暖色系の果物(りんご、さくらんぼ、みかん、ブドウ、もも、プルーン)
- 暖色系の野菜(かぼちゃ、にんじん、しょうがやにんにく、ゴボウ)※トマトは逆に冷やします
- その他、にんにくやにら、たまねぎもおすすめ
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身体を温める飲み物
食べ物だけでなく、飲み物も身体を温めるものを意識して摂るようにしましょう。
身体を温める飲み物には以下があります。できる限りアイスよりもホットもしくは常温が好ましいです。
raffineにご来店頂いているお客様はお気づきのように、実際にお出ししているものが多くあると思います。
これは、お客様の身体を少しでも冷やさないようにし、リンパケアの効果を上げるためです。
- 白湯
- ココア
- 紅茶
- ほうじ茶
- しょうが湯
- 甘酒
- チャイ
- ルイボスティー など
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身体を冷やす食べ物
一方、身の回りには身体を冷やしてしまう食べ物もたくさんあります。
口にしないということではなく、身体を冷やしてしまう食べ物はどんなものなのかを知り、摂り過ぎないように意識しましょう。
- 寒色系の野菜(レタス、キャベツ、ほうれん草なのど葉物)
- ウリ科の野菜(すいか、メロン、きゅうり、ゴーヤ)
- アスパラガス
- トマト
- なす
- わかめや昆布
- 蠣(かき)やあさり
- 豆腐
- 白米や麦
- 砂糖
- バナナ
- バター
- チョコレートなど
身体を冷やす飲み物
また、身体を冷やしやすい飲み物も身の回りにはたくさんありますが、食べ物と同様に全く口にしないことまではしなくて結構です。
- コーヒー
- 緑茶
- 麦茶
- 牛乳
- ビール
- ウイスキー
- 砂糖がたくさん入っている飲み物 など
③入浴
血行不良を改善し、血行を促進するには入浴が一番です。
38度~40度くらいのお湯にゆっくりと浸かるだけでも、かなり違います。
入浴により、副交感神経が優位になるため、血管が広がり、血行促進します。また、リラックス効果もありますので一日頑張った疲れをリセットするためにも、入浴をおすすめします。
普段シャワー派の方も、週に2回程度でも構いませので、入浴することを日常生活に取り入れるようにしましょう。
※raffineにご来店頂くお客様へのヒアリングやアンケートの結果にも出ていますが、こりやむくみ、冷え症に悩んでいる方の中でも、湯船に浸からずにシャワーだけの方は、お悩みが深刻なケースが多くあります。
④リンパケアやマッサージ・ツボ押し
冷え性の改善には、リンパケアやマッサージ、ツボ押しなども効果的です。
リンパケアは全身への施術が基本ですが、冷え性の改善を促す場合には足のふくらはぎのポンプ機能に注目します。
冷え性の元である血行不良により、疲労物質や老廃物が滞ってしまいます。そのまま放置しておくと、冷えはもちろん、こりやむくみへと繋がってしまいます。
そこで、足先から鼠径部に向かってリンパを流し、滞りを流していきます。滞っている疲労物質や老廃物、不要な水分を流し、血行を良くするためです。
またふくらはぎの筋肉をほぐしたり、かかとを上げ下げした上下運動、足先、指先を反らしていくのも効果的です。
また、冷え症改善には対象となるツボを押すこともお勧めします。
冷え性改善のツボはたくさんありますが、代表的なツボ、かつ場所がわかりやすいものとして太谿(たいけい)、八風(はっぷう)、築賓(ちくひん)があります。
raffineのInstagramにも動画付きでいくつかアップしていますので、合わせてご確認ください。
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⑤規則正しい生活
冷え性の改善方法5つめは、規則正しい生活を送ることです。
不規則な生活であると、食事の時間帯、栄養バランス、睡眠時間や睡眠の質などのバランスが崩れてしまいます。
また、それらの影響で、ストレスが蓄積し、慢性的な疲労や自律神経の乱れとなります。
規則正しい生活を送るといったちょっとした意識の変化でも冷え性の改善に役立つでしょう。
⑥服装
冷え性改善方法6つめは服装。コーディネート云々というよりは、冷やさない服装を意識するということです。
以前のブログでも解説しましたが、3首(首、手首、足首)を温めることは、冷え症に効果的です。
また、3首を冷やさないようなファッションを心がけたり、冷え性対策グッズを利用するなど寒い時期だけでなく、お風呂上りや寝る前なども身体を温めることを習慣化しましょう。
- ネックウォーマー
- アームウォーマー
- レッグウォーマー
- 靴下
- レギンス など
あなたの日常生活の見直しが冷え性改善の第一歩
今回は、冷え性とは何か、どんな症状があり、何が身体を冷やす原因となっているか、そしてその改善方法について解説しましたがご理解できましたでしょうか。
本記事でわかるように、冷えは血行と深く関係しています。
また、その血行は自律神経とも関わりを持っています。身体の仕組みを理解することで、身体の冷えをそのまま放置するとそれに付随して様々な身体の不調をきたします。
冷えは万病の元というように、あなたにとってデメリットでしかありません。
日常生活を見直して身体を冷やさない、温める環境作りを目指しましょう。